西山文庫

この物語はフィクションです。

【浮気】彼女が見たものは何だったのか【隠蔽工作】

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まだまだ公開中、ボヘミアン・ラプソディー
皆さん見ましたか? 興行収入100億円突破ですって、すごいですね。

 

私は年越し前に見たんですが、今日は別の用事で映画館へ。
というか、映画館のあるショッピングモールへお出かけしました。
お目当ての物も買い、ブラブラと家電類を見て、本屋へ寄って…充実した冷やかし。

 

そして、最後に映画館へ。
映画館特有の薄暗さ、ポップコーンやらホットドックやらの匂い、なんか絨毯がフカフカしてる。いいですよね。

 

まぁ、何が目的かと言うと、公開予定のパンフレット?チラシ?を集めるのが趣味でして。それをもらいに行ったわけですよ。
なにも見ないのに。完全なる冷やかしですみません。

 

せっせと収集していたら、とある映画の上映が終わったようで人がドドッと出てきました。よし、乗るしかない、このビッグウェーブに。的なノリで続いて私も映画館をあとにしました。

 

前の人の会話を聞く限り、見ていたのはボヘミアン・ラプソディーの様子。

あぁ、面白かったよねぇ。私もフレディと同じくらい猫を愛したい。
なんて心の中で会話していると、後ろから女性の声が聞こえてきました。

 

 

曰く

女「あ、もしもしー? ごめん、映画見てたからさぁ」

私(スマホの電源切ってたのね、偉いぞ)

女「うん…うん…シュン君(仮名)が言ってたやつー」

私(くそが、彼氏かよ。一緒に見にIKEA

女「面白かったよー。デッデンデデデンデーン」

 

 

唐突に口ずさむイントロ。Queenの数々の名曲。
冷めやらぬ興奮。
彼女の選曲はなんだ
Somebody To Love ?
Keep Youreself Alive ?
Killer Queen ?
ここはやはり Bohemian Rhapsody ?

 

 

果たして、どこか聞いたことのあるイントロに続く歌詞は…

 

 

女「アッドワナ クローズマイアーイズ!!!!!って」

私(?)

 

 

皆さんお気づきの通り。そう、アルマゲドンである。

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Aerosmith - I Don't Want to Miss a Thing (Official Music Video)

 

女「うん、うん。じゃあ、また夜にね。バイバーイ」

 

 電話を切る彼女。

 

待て待て、あなたは一体、何を見ていたんだ?
そして、彼氏。それ、アルマゲドンだが?突っ込まなくていいの?
夜の予定組んでる場合じゃない。

 

 

一旦、落ち着こう。思考を整理するんだ。
まず、このビッグウェーブの一部にいるので映画館から出てきたはず。
スマホの電源を落としていたことも映画を見ていたことの後押しになるはずだ。
また、前の人の会話からこの波はボヘミアン・ラプソディーである。
つまり、彼女も見ていたといって間違いないだろう。
しかし、彼女の頭の中はアルマゲドンである。
もちろん、そちらも名曲であるが間違えるだろうか?
ストーリーは似ても似つかない。
ならば映画に意識が向いていなかった?
フレディを中心としたQueenの物語より彼女にとって魅力的なもの…
彼氏……否、浮気か⁉

 

 

くそッ…!なんて奴だ。浮気中に平然と電話を折り返し、夜に会うだとッ⁉
許せん。そのツラ拝んでやる。

しかしッ、その勇気が私には無いッ……圧倒的無力!!
目は後ろについていない。
無念。
男をとっかえひっかえ弄ぶ悪女を野放しにするしかないのか…
諦めかけたその時、瞬足の神が囁いた。

 

コーナーで差をつけろ

 

そうか! 角を曲がる瞬間にさりげなく、そして何気なく振り返ればいいんだね!
やってやる。やってやるよ。曲がりたくもないコーナーでその顔拝んでやる。

 

高鳴る鼓動。近づく運命のとき
曲がる!振り向く!その刹那…

二十歳前後、かわいい系、小柄のセミロング
男は……

 

くそッ時間切れだ。
残念ながら真相は分からずじまいでした。
こんなことならもっと練習しとくんだった。

 

 

モヤモヤとした帰路で我思う、

 

どうか、彼女の歌い間違いで合ってほしい。
そして一人映画であれ。もしくは女友達。

 

彼氏はどうかスルーして欲しい。たとえアルマゲだと気付いても。
彼女のそんなところが愛おしいと考えてほしい。

 

 

こんな些細なことが見知らぬカップルのアルマゲドンになってほしくは…… 

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そもそも彼氏が一人で映画見に行かなければいい話。一緒にIKEA